過去問解説【理論R2:問1】点電荷の電位に関する問題

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解答:(3)

問題

ポイント

電位と仕事の関係を理解しよう

電位とは、電気的な位置の高さを表すものになります。よって基準とする地点からの垂直な距離の差のみが電位に影響を与えます。

電界\(E\ [V/m]\)と電位差\(V\ [V]\)の関係

電界\(E\ [V/m]\)に逆らって\(+1[C]\)の点電荷を移動させるときに必要な仕事の大きさが電位差\(V\ [V]\)となります。電界\(E\ [V/m]\)中において、移動前の地点をA点、移動後の地点をB点、2点の間の距離を\(d\ [m]\)としたとき、2点の電位差\(V_{AB}\ [V]\)は以下の様に表すことができます。

$$ V_{AB} = E \times d \ [V] $$

電界と電位差について詳しい解説へ

電位差\(V\ [V]\)と仕事\(W\ [J]\)の関係

\(+1\ [C]\)の点電荷を移動させるときの仕事の大きさが\(V\ [V]\)であるから、

$$ \begin{align} 仕事 &= 電荷1\ [C] \times 電位差V\ [V] \\ W &= Q \times V \end{align} $$

となります。

解説

解答:(3)

問題文より点電荷を点A~Cまで移動させたときの仕事の大きさが\(14\ [J]\)とあるので、電位差と仕事の関係式より

$$ \begin{align} W &= Q \times V_{AC} \\ 14 &= 2 \times V_{AC} \\ V_{AC} &= \frac{14}{2} =7\ [V] \end{align} $$

となります。

図より、点Aと点Cの電界\(E\ [V/m]\)に対して逆らう方向の距離の差\(d_{AC}\)は、

$$ d_{AC} = 1.0 – 0.3 = 0.7\ [m]$$

となるので、\(0.1\ [m]\)あたりの電位差\(V\ [V]\)(電界\(E\ [V/m]\)の大きさは以下の様に求めることができます。

$$ E = \frac{V_{AC}}{d_{AC}} = \frac{7}{0.7} = 10\ [V/m]$$

したがって、点AB間の電位差\(V_{AB}\ [V]\)の大きさは、

$$ V_{AB} = E \times d_{AB} = 10 \times 1.0 =  10\ [V] $$

になり、答えは(3)です。

感想

一般的に思い浮かべる仕事のイメージと物理学の分野で扱う仕事のイメージが異なるため戸惑ってしまう方も多いのかなと思います。しかし、基本の公式さえ理解できれば代入するだけで答えまでたどり着くことができます。

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