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過去問解説【理論R3:問17】平行板コンデンサに関する問題

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解答 (a):(4) 、 (b):(2)

問題

ポイント

平行板コンデンサ内の電界の大きさ

平行板コンデンサの金属板上には、電荷が一様に分布しています。また、間にはさまれている誘電体(絶縁体)内部の電気力線密度も一様になり平等電界となります。

この時の電界の大きさは、以下のように表せます。$$ E = \frac{V}{d} $$

電束密度と電界の大きさ

電束の本数は、誘電率\(ε \ [F/m]\)を無視して考えるため電気力線の本数の\(ε\)倍になります。電気力線の密度は電界の大きさ\( E\ [V/m]\)を表すので、電束の密度(電束密度)\(D\ [C/m^2]\)は電界の大きさ\(E\)の\(ε\)倍になります。$$ D = ε \times E $$

平行板コンデンサ容量\(C\ [F]\)の求め方

極板の面積を\(S\ [m^2]\)、極板間の距離を\(d\ [m]\)、誘電率を\(ε\ [F/m]\)とすると、コンデンサの静電容量\(C\ [F]\)は次のように表すことができる。

$$ C = ε \times \frac{S}{d} \ [F] $$

コンデンサ容量の合成

直列接続の場合 

$$ \begin{align} \frac{1}{C_{total}} &= \frac{1}{C_1} + \frac{1}{C_2}\\ \\ &= \frac{C_2}{C_1 \times C_2} + \frac{C_1}{C_2 \times C_1} \\ \\ &= \frac{C_2 + C_1}{C_1 \times C_2} \\ \\ C_{total} &= \frac{C_1 \times C_2}{C_1 + C_2} \end{align} $$

並列接続の場合

$$ C_{total} = C_1 + C_2 $$

静電エネルギーの大きさ

平行板コンデンサの静電エネルギー\(W\ [J]\)の大きさは静電容量\(C\ [F]\)と電位差\(V\ [V]\)から以下の様に計算することができます。

$$ W = \frac{1}{2} C V^2 $$

解説

(a) 解答:(4)

平行板コンデンサ内の電束密度\(D\ [C/m^2]\)の大きさはどの地点でも変化がないため、電界の大きさは誘電率によって決まります(ポイント1)。

コンデンサAの内部の誘電率は上から順に\(2ε_0\)、\(3ε_0\)、\(6ε_0\)となるため

それぞれの電界の大きさは以下のように表すことができる。

$$ E_{A1} = \frac{D}{2ε_0} \  , \ E_{A2} = \frac{D}{3ε_0} \  , \ E_{A3} = \frac{D}{6ε_0} $$

よって電界の大きさは、\(E_{A1} > E_{A2} > E_{A3} \)となる。

また、この時最大となる電界\(E_{A1}\)の大きさは図より式 \(V = E \times d\) を用いて計算することができる。

$$ V = E_{A1} \times \frac{d}{6} + E_{A2} \times \frac{d}{3} + E_{A3} \times \frac{d}{2}$$

ここで、\(E_{A2} \ , \ E_{A3}\)を\(E_{A1} \)を使った表記に変換する。

$$ E_{A2} = \frac{D}{3ε_0} =\frac{D}{2ε_0} \times \frac{2}{3} = E_{A1} \times \frac{2}{3}$$
$$ E_{A3} = \frac{D}{6ε_0} =\frac{D}{2ε_0} \times \frac{2}{6} = E_{A1} \times \frac{1}{3}$$

電界\(E_A1\)の大きさを計算すると、

$$ \begin{align} V &= E_{A1} \times \frac{d}{6} + E_{A2} \times \frac{d}{3} + E_{A3} \times \frac{d}{2} \\ \\ &= E_{A1} \times \frac{d}{6} + E_{A1} \times \frac{2}{3} \times \frac{d}{3} + E_{A1} \times \frac{1}{3} \times \frac{d}{2} \\ \\ &= E_{A1} \times \frac{d}{6} + E_{A1} \times \frac{2d}{9} + E_{A3} \times \frac{d}{6} \\ \\ &= E_{A1} \frac{3d}{18} + E_{A1} \frac{4d}{18} + E_{A1} \frac{3d}{18} \\ \\ V &= E_{A1} \frac{10d}{18} \\ \\ E_{A1} &= \frac{18V}{10d} = \frac{9V}{5d} \end{align} $$

となります。よって答えは、(4)です。

(b) 解答:(2)

(b)電圧\(V \ [V]\) が一定で加えられているコンデンサに蓄えられるエネルギーの大きさは、静電エネルギーの式\( \displaystyle W = \frac{1}{2}CV^2 \ [J]\)で計算することができます。

コンデンサA側の全体の静電容量の大きさ\(C_A \ [F]\)を求める

初めに、各誘電率の部分での静電容量を計算する。

$$ C_{A1} = 2ε_0 \times \frac{S}{\displaystyle \frac{d}{6}} = \frac{2ε_0 S \times 6}{\displaystyle \frac{d}{6} \times 6} = \frac{12ε_0 S}{d} $$

$$ C_{A2} = 3ε_0 \times \frac{S}{\displaystyle \frac{d}{3}} = \frac{3ε_0 S \times 3}{\displaystyle \frac{d}{3} \times 3} = \frac{9ε_0 S}{d} $$

$$ C_{A3} = 6ε_0 \times \frac{S}{\displaystyle \frac{d}{2}} = \frac{6ε_0 S \times 2}{\displaystyle \frac{d}{2} \times 2} = \frac{12ε_0 S}{d} $$

コンデンサA合計の静電容量\(C_{A} \)を計算する。

$$ \begin{align} \frac{1}{C_A} &= \frac{1}{C_{A1}} + \frac{1}{C_{A2}} +\frac{1}{C_{A3}} \\ \\ &=  \frac{1}{\displaystyle \frac{12ε_0 S}{d}} + \frac{1}{\displaystyle \frac{9ε_0 S}{d}}+\frac{1}{\displaystyle \frac{12ε_0 S}{d}} \\ \\ &= \frac{d}{12ε_0 S} + \frac{d}{9ε_0 S} +\frac{d}{12ε_0 S} \\ &= \frac{3d}{36ε_0} + \frac{4d}{36ε_0} + \frac{3d}{36ε_0} \\ &= \frac{10d}{36ε_0} \\ C_A &= \frac{36ε_0}{10d} = \frac{18ε_0}{5d} \end{align} $$

コンデンサBの全体の静電容量\(C_B \ [F]\)を求める

初めに、各誘電率の部分での静電容量を計算する。

$$ C_{B1} = 2ε_0 \times \frac{\frac{S}{6}}{d} = \frac{2ε_0 S}{6d} = \frac{ε_0 S}{3d}$$

$$ C_{B2} = 3ε_0 \times \frac{\frac{S}{3}}{d} = \frac{3ε_0 S}{3d} = \frac{ε_0 S}{d}$$

$$ C_{B3} = 6ε_0 \times \frac{\frac{S}{2}}{d} = \frac{6ε_0 S}{2d} = \frac{3ε_0 S}{d}$$

コンデンサBの合計の静電容量\(C_B \ [F]\)を計算する。

$$ \begin{align} C_{B} &= C_{B1} + C_{B2} + C_{B3} \\ &= \frac{ε_0 S}{3d} +\frac{ε_0 S}{d} + \frac{3ε_0 S}{d} \\ \\ &= \frac{ε_0 S}{3d} + \frac{3ε_0 S}{3d} + \frac{9ε_0 S}{3d} \\ \\ &= \frac{13ε_0 S}{3d} \end{align}$$

コンデンサAの蓄積エネルギーがコンデンサBの蓄積エネルギーの何倍になるかを計算する

$$ \begin{align} \frac{\displaystyle \frac{1}{2}C_{A}V^2}{\displaystyle \frac{1}{2}C_{B}V^2} &= \frac{\displaystyle\frac{1}{2} \times \displaystyle\frac{18ε_0}{5d} \times V^2}{\displaystyle \frac{1}{2} \times \displaystyle \frac{13ε_0 S}{3d} \times V^2} \\ \\ &=\frac{\displaystyle \frac{18ε_0}{5d}}{\displaystyle \frac{13ε_0 S}{3d}} \\ \\ &=\frac{18ε_0}{5d} \times \frac{3d}{13ε_0 S} \\ \\ &=\frac{18 \times 3}{5 \times 13} = 0.8307 \end{align} $$

よって答えは(2)となります。

感想

コンデンサの問題としては、公式を理解していれば解くことができる問題だったと思います。計算量がやや多いので、省略せずに計算を進めることでケアレスミスや見直し時間の短縮につながると思います。得点源としたい問題のタイプです。

解説についてご不明な点や気になることがありましたら、お問い合わせよりお声掛け下さい。

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