電験二種 自動制御〜部分分数分解〜

こんにちは、ももよしです。
電験2種の勉強を再開し、新たに自動制御もマスターしよう!!
そう思って学習を開始した私ですが、以外にもつまずくことが多い。そう感じましたので、基本になる部分をアウトプットの意味も含めブログの記事に投稿していきたいと思います。

自動制御を解き進めるうえで必須の知識となる部分分数分解について解説していきます。

数学要素の強い内容なのですが、電験2種の自動制御はこれさえできれば30%はクリアしたも同然です。私も慣れるまでに時間がかかりました。ですが、日々の学習を続けていれば問題なく解けるようになります。
自動制御は出題がパターン化しているため得点源にしやすいです。

部分分数分解は、ラプラス逆変換をしやすくするために必要な計算の技術です。大きく分けて3パターンのみです。計算スピードは慣れてくれば自然と早くなるので安心してください。これから解説例題では文字は全て s を使用しますが、文字の種類が変わっても手順はかわりません。今回は自動制御でよくつかわれる文字 s を使用します。

目次

パターン1:\(分母を因数分解したときにs^2やs^3がない\)

例題)$$F{s}=\frac{3s-23}{(s+4)(s-3)}$$
このパターンです。
手順ははとても簡単です。最終的に以下の形にするだけです。

$$F{s}=\frac{A}{(s+4)}+\frac{B}{(s-3)}$$

数学が苦手な方もいると思いますので、手順を記載していきます。

《手順》
$$F{s}=\frac{A\times(s-3)}{(s+4)\times(s-3)}+\frac{B\times(s+4)}{(s-3)\times(s+4)}$$
$$F{s}=\frac{A\times(s-3)+B\times(s+4)}{(s-3)\times(s+4)}$$
$$F{s}=\frac{s(A+B)-3A+4B}{(s-3)\times(s+4)}$$
ここで、分子をくらっべこします。
$$3s=(A+B)s$$
$$-23=-3A+4B$$
$$A=5  ,   B=-2$$
よって例題の式(1)は以下のように分解できるのです。
$$F{s}=\frac{3s-23}{(s+4)(s-3)}$$
$$F{s}=\frac{5}{(s+4)}-\frac{2}{(s-3)}$$
これはそこそこ数学ができる人ならば躓くことなく理解できるのではないかなと思います。

パターン2:\(分母を因数分解するとs^2やs^3がある\)

例題)$$F{s}=\frac{8}{s^2(2s+4)}$$
ここからが少しハードルが上がるので頑張ってついてきてください。と言っても大筋はパターン1と何も変わりません。
最終的に目指す形がと少し変わっただけです
最終形

$$F{s}=\frac{A}{s^2}+\frac{B}{s}+\frac{C}{2s+4}$$

一つずつ丁寧に解いていけば必ずできます。では、手順を追ってみましょう。

《手順》
$$F{s}=\frac{A}{s^2}+\frac{B}{s}+\frac{C}{2s+4}$$
$$F{s}=\frac{A\times(2s+4)}{s^2\times(2s+4)}+\frac{B\times(2s+4)s}{s\times(2s+4)s}+\frac{C\times s^2}{(2s+4)\times s^2}$$
$$F{s}=\frac{A(2s+4)+B(s^2+4s)+Cs^2}{s^2(2s+4)}$$
$$F{s}=\frac{(2B+C)s^2 + (2A+4B)s + 4A}{s^2(2s+4)}$$
パターン1と同様に分子を比較する。
$$A=2  ,  B=-1,  C=2$$
よって、例題の分数は以下のように分解できる。
$$F{s}=\frac{8}{s^2(2s+4)}$$
$$F{s}=\frac{2}{s^2}-\frac{1}{s}+\frac{2}{2s+4}$$

初めのうちは第2項の$$\frac{B}{s}$$を飛ばしてしまいがちなので気を付けましょう

パターン3:\(分母を因数分解すると虚数が出現する。\)

はい、いっきにハードルが上がりました。虚数出てきた!!どうすんだよ、って方もいるかと思います。私自身も数学はあまり得ではないので、初めは面食らいました。しかし、慣れてしまえばそれほど難しくはありません。
例題を参考に、分解方法を示していきたいと思います。
例題)$$F{s}=\frac{20}{s(s^2+4s+20)}$$
分母を上手に変換するのが最大のポイントになります。
$$F{s}=\frac{20}{s{(s+2)^2-4+20}}$$
$$F{s}=\frac{20}{s{(s+2)^2+16}}$$
これを次の形に分解します。

$$F{s}=\frac{A}{s}+\frac{B}{(s+2)^2+16}$$
$$  =\frac{s(sA+4A+B)+20A}{s{(s+2)^2+16}}$$

分子どうしを比較すると、
$$A=1   ,  B=-s-4$$となるので
例題の式は以下のように分解できます。
$$F{s}=\frac{20}{s(s^2+4s+20)}$$
$$F{s}=\frac{1}{s}-\frac{s+4}{(s+2)^2+16}$$
$$F{s}=\frac{1}{s}-\frac{s}{(s+2)^2+4^2}-\frac{4}{(s+2)^2+4^2}$$
$$F{s}=\frac{1}{s}-\frac{s}{(s+2)^2+4^2}-\frac{1}{4}\times\frac{4^2}{(s+2)^2+4^2}$$
これでラプラス逆変換できる形まで到達しました。
パターン3はやはり複雑ですね。ですが、1つずつ段階を踏んでいけば解けるものだと思います。ぜひあきらめず頑張りましょう。

今年こそ絶対合格するぞ!!

ではまた。

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この記事を書いた人

中学校教師から電気エンジに転職し現在は66kV/155MWの工場で電気主任技術者として活動中です。
電験3種、電験2種を独学で合格した経験から、初心者がつまづきやすいポイントをどこよりもわかりやすく解説する電験ブログを目指して活動しています。
2023年より、電験三種のオンライン家庭教師も始めました!
目標は、電気監理技術者と独立し、年収1000万以上を達成することです。

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