スターデルタ切り替え時に三相短絡
入社2年目での大失敗…400Vの三相短絡を紹介します
今回紹介する事故が発生した回路です。
短絡事故が起こったのは、雲マークで囲んだY接続用の短絡開閉器になります。
結論から言うと
シーケンスチェック時には問題なかったのに~
いったい何が起きたのか、驚きのあまりしばらく固まっていました。
実際の事故映像です。
驚きのあまりすぐに動画を止めてしまいましたが、
この後復旧のために1週間現場と事務所を駆けずり回っていました(笑)
事故原因の解析
事故点の特定
目の前で事故を確認後、感電に注意しながらブレーカーを遮断しC/C内を調査しました。
扉を開けるとY接続用の短絡開閉器が焼け飛んでいることが分かりました。
これにより、事故はΔ接続中に短絡開閉器が投入されたことが分かりました。
シーケンス図上は絶対ありえないのになんで~
高速運転中は、タイマーリレー(88H)が励磁されているため、低速用回路は動作しないはずなのに動作していた?
タイマーリレー使用上の注意
シーケンス図、メーカーの使用上の周囲事項にも記載がありましたが、タイマーを常時励磁で使用する場合、劣化が早まるそうです。
今回のシーケンスではタイマーを常励で使用していたことで、タイマーリレーが誤不動作に至ったと考えられます。
新設して1か月足らずで、こんなことが…
ただ、タイマーリレーの誤不動作だけでは、今回の事故には至らないのです。
低速運転の指令はDCSからもらっているので!
信号の取り合いの確認不足
DCSの設計担当に確認したところ、高速-低速運転の切り替え時には瞬間的に同時に指令が出ているかもということでした。
なんだって…普通、一回OFF確認してから次の信号では…
気になったので、タイマーリレーが動作できていなかった前提で模擬回路を組んで動作を確認することにしました。
できちゃった!
こうして婚外の事故の原因を特定できました。
タイマーリレーが不良だったのはいまいち納得いきませんが…
リレーの端子台で導線の切れ端などで短絡してしまうこともあると聞いたので、運が悪かったのかな…
DSCとの取り合いの確認が不十分だった(万が一を想定していなかった)
対策
回路、DSCともに改造することとしました。
ハード的にはタイマーリレーの接点だけでなく、開閉器の接点も取り入れることにしました。
本当は、短絡開閉器にもメカニカルインターロックを入れたかったのですが、器具の配置的に難しかったので今回は断念しました。
DSCのソフト的には、Δ接続用開閉器の接点開の信号を受けてからY接続に切り替える指令が出るようにしました。
今回の制御対象は、単巻線のポールチェンジモーターというかなり特殊な機器でした。
特殊な電動機の制御には要注意だといい勉強になりました。
コメント