半導体|電験三種 理論

目次

半導体とは

物質の電気的な性質に注目すると大きく3つに分けられます。

  1. 導体:電気をよく通す物質
  2. 絶縁体(不導体):電気をほとんど通さない物質
  3. 半導体:導体と絶縁体の中間の性質を持つ物質

導体は温度が上がると抵抗が大きくなるが、
半導体は温度が上がると抵抗が小さくなる性質をもつ

半導体の種類

半導体は、構成する元素の種類で3つに分類することができます。

  1. 真性半導体:ケイ素(Si)99.999 999 999 9%
  2. p形半導体:ケイ素とホウ素やガリウムなど13族の元素を含む半導体
  3. n形半導体:ケイ素とリンやアンチモンなど15族の元素を含む半導体

13族や15族とは元素周期表での縦列での分類です。

p形半導体

13族の原子たちは、ほかの原子とシェア(共有)できる電子(マイナスの電気を帯びた粒)の数が3つしかありません。

そのためケイ素の中に13族の原子を混ぜると次の図のように電子が1個足りない状態ができます。

この電子が入るはずの空間をホール(正孔:せいこう)と呼びます。

p形半導体はこのホール(プラスの電気を持った孔)が移動することで電気が流れるのです。

n形半導体

15族の原子をはシェアできる電子が5個あるため、n形半導体はp形の逆で電子が1個多くなっている状態になります。

n形半導体では、余分な電子が移動することで電気が流れます

p形半導体:ホールが移動することで電気が流れる
n形半導体:電子が移動することで電気が流れる
半導体は、外部からエネルギー(熱)を加えることでホールまたは電子が移動できるエネルギーを得るため温度が上がると抵抗が小さくなる。
ホール、電子は電荷(電気を帯びた粒)を運ぶことからキャリアと呼ばれています

半導体に流れる電流の種類

半導体に流れる電流には、電流を流すための力の種類により2つに分けられます。

  1. ドリフト電流:キャリアが電界による力を受けて流れる電流
  2. 拡散電流:電子の密度差により、密度が均一になるように流れる電流

ドリフト電流

拡散電流

まとめ

  • 半導体は低温度では絶縁体、高温度では導体として働く
  • p形半導体は、ホールを移動させる
  • n形半導体は、電子を移動させる
  • 電流には、電界の影響で流れるドリフト電流と密度差によって流れる拡散電流がある



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この記事を書いた人

中学校教師から電気エンジに転職し現在は66kV/155MWの工場で電気主任技術者として活動中です。
電験3種、電験2種を独学で合格した経験から、初心者がつまづきやすいポイントをどこよりもわかりやすく解説する電験ブログを目指して活動しています。
2023年より、電験三種のオンライン家庭教師も始めました!
目標は、電気監理技術者と独立し、年収1000万以上を達成することです。

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