【電験3種】スポットネットワーク受電方式

ももよし
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スポットネットワーク方式ってなに?

こんばんは、ももよしです。

電験の勉強を始めたばかり頃、受電方式の中で一番よくわからなかったのがスポットネットワーク方式でした。

近年、22kV受電のビルなどが多くなり、電験でよく出題されています。

今回は、スポットネットワーク方式と特徴についてまとめました。

目次

スポットネットワーク方式とは

スポットネットワーク方式とは、22kVまたは33kV配電線を2~4回線受電し、変圧器の2次側を共用する方式。

高層ビルなどで利用されており、一般的には22kV3回線受電とすることが多い。

常時3回線平行受電しているため、二次側は循環電流が流れないように設計されている。

図1の単線結線図は一般的なスポットネットワーク方式を表す。
※ネットワーク変圧器の一次側は遮断器とすることもある。

特徴

  • 事故時:送電線路の1回線またはネットワーク変圧器の1バンクで事故が発生しても停電しない。事故時には、プロテクタ遮断器により自動的に自己回線を切り離し残りの健全回線で負荷に供給できる。
    ネットワーク変圧器は8時間130%の過負荷耐量で設計されている。$$\mathbf{変圧器の単機容量}=\frac{\mathbf{最大電力}[kVA]}{\mathbf{ネットワーク群}\times(\mathbf{回線数}-1)\times1.3}$$
  • 保守時:22kVから低圧へ直接変圧するため、高圧変圧器が不要となり保守する機器数を減らせる。
  • 運転管理:送電線路における停止、復旧に伴う変圧器二次側遮断器の操作は自動で行われるため、運転管理が容易になる。

ネットワークプロテクタの特性

ネットワークプロテクタは、遮断器・ヒューズ・保護リレーから構成され、その自動再閉路および開閉制御機能は次の3つの特性を持つ。

無電圧投入特性

配電線の全停電時に、共通母線が無充電状態であるとき、配電線の1回線が復旧して当該遮断機の変圧器側が充電されると投入する。

 

差電圧投入特性

遮断器が開放状態にあるとき、停止回線が復電されて当該変圧器の二次側が充電された場合、遮断器の極間電圧を検出し、変圧器側から負荷側に向かって電流が流れる条件にあるとき投入する。

 

逆電力遮断特性

3回線のうち1回線が停電したとき、健全な他回線から変圧器および共通母線を介して回り込み電流が停止回線に逆流するのを防ぐために遮断する。

 

参考書籍・サイト


j-stage29巻10号 P24-29

日本電気技術者協会

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この記事を書いた人

中学校教師から電気エンジに転職し現在は66kV/155MWの工場で電気主任技術者として活動中です。
電験3種、電験2種を独学で合格した経験から、初心者がつまづきやすいポイントをどこよりもわかりやすく解説する電験ブログを目指して活動しています。
2023年より、電験三種のオンライン家庭教師も始めました!
目標は、電気監理技術者と独立し、年収1000万以上を達成することです。

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