変圧器の第3回は、変圧器の規約効率と損失について解説します。
この記事では以下の点について解説しています。
変圧器の損失
変圧器の損失は大きく分けると鉄損と銅損の2つに分けられます。
1.鉄損
鉄損は、変圧器を励磁するための部分で生じる損失です。変圧器の等価回路は第1回の記事でも紹介した通り以下のようになります。
鉄損の大部分は励磁コンダクタンスによるものなので、励磁サセプタンスは無視し計算します。
鉄損は、変圧器の無負荷試験により求めることができます。
変圧器の無負荷試験とは・・・
1つの巻線に定格周波数の定格電圧を加え、他の巻線はすべて開放した状態で、電流・電圧を測定する。この時の測定電流が励磁電流、測定電力が無負荷損(鉄損)となる。
2.銅損
銅損は一次巻線、二次巻線の抵抗による損失です。
直列につながれた部分は流れる電流が同じ大きさであるから、電流の2乗×抵抗から銅損を計算することができます。
銅損はインピーダンス電圧試験によって求めることができる。
インピーダンス試験とは・・・
二次側巻線を短絡し、一次側巻線に、定格電流が流れるように定格周波数の低電圧を加え、電圧・電力を測定する。この時の電圧がインピーダンス電圧で、測定電力が負荷損(銅損)となる。
変圧器の効率
変圧器効率は、変圧器の出力を入力で割り算することで計算できます。出力は負荷に流れる電流と電圧の積から求めることができます。入力については、各出力をの合計から導かれます。
また、変圧器の効率が最大となるのは鉄損と銅損が等しいときに最大となります。
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