電気回路|2つ以上の電源を持つ回路~重ね合わせの理~

この記事でわかること
  • 電源が複数ある回路の計算方法が分かる
  • 重ね合わせの理の解法手順
目次

複数の電源を持つ回路の計算方法

複数の電源を持つ回路の計算方法には次の2つがあります。

  1. 重ね合わせの理
  2. キルヒホッフの法則

2つの解法のメリット、デメリットは以下の通りです。

重ね合わせの理

メリット
  • 回路が簡単
  • 計算が簡単
デメリット
  • 計算量が多くなる
  • 複雑な回路の計算には時間がかかる

キルヒホッフの法則

メリット
  • 複雑な回路にも応用できる
  • 1つ1つの計算式は簡単
デメリット
  • 式を立てるのがやや難しい
  • 方程式を解く必要がある

どちらにもメリット、デメリットはありますが計算が不得意な方は、”重ね合わせの理”がおすすめです。

計算が苦手だから、まずは重ね合わせの理から勉強してみよう!

重ね合わせの理の解法

電圧源は短絡して1つの電源回路に分ける

PC用の画像 PC用の画像 スマホ用の画像

各回路の電流を計算する

回路①

右端の3[Ω]の抵抗に流れる電流\(I{}_{13}\)を求める。

回路全体の抵抗を求める

$$R=\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{3}+\displaystyle\frac{1}{3}}+6$$

$$=\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{2}{3}}+6$$

$$=\displaystyle\frac{3}{2}+6$$

$$=1.5+6=7.5$$

電流\(I{}_{13}\)の大きさを求める

電流\(I{}_1\)を求める

$$I{}_1 = \frac{30}{7.5}=4[A]$$

電流\(I{}_{13}\)の大きさは

$$I{}_{13}=4\times \displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{3}+\displaystyle\frac{1}{3}} \times \frac{1}{3}=2.0[A]$$

回路②

右端の3[Ω]の抵抗に流れる電流\(I{}_{23}\)を求める。

回路全体の抵抗を求める

$$R=\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{3}+\displaystyle\frac{1}{6}}+3$$

$$=\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{2}{6}+\displaystyle\frac{1}{6}}+3$$

$$=\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{3}{6}}+3$$

$$=\frac{6}{3}+3$$

$$=2+3=5$$

電流\(I{}_{23}\)の大きさを求める

電流\(I{}_2\)を求める

$$I{}_2 = \frac{20}{5}=4[A]$$

電流\(I{}_{23}\)の大きさは

$$I{}_{23}=4\times \displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{3}+\displaystyle\frac{1}{6}} \times \displaystyle\frac{1}{3}=2.666[A]$$

分割して計算した電流を足し合わせる

PC用の画像 スマホ用の画像
ももよし
ももよし

電源の数が増えると計算量が増えるけど、シンプルな式の計算なので式を立てるのが苦手な方は”重ね合わせの理”で解き進めるのがおすすめです!

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この記事を書いた人

中学校教師から電気エンジに転職し現在は66kV/155MWの工場で電気主任技術者として活動中です。
電験3種、電験2種を独学で合格した経験から、初心者がつまづきやすいポイントをどこよりもわかりやすく解説する電験ブログを目指して活動しています。
2023年より、電験三種のオンライン家庭教師も始めました!
目標は、電気監理技術者と独立し、年収1000万以上を達成することです。

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