自己インダクタンス

この記事でわかること
  • 自己インダクタンスとは
  • 環状ソレノイドの自己インダクタンス
目次

自己インダクタンスとは

▲ 自己誘導のプロセス
  1. コイルに流れる電流が変化すると、電流によって磁束が変化する
  2. コイルを貫く磁束が変化して、コイルは磁束の変化を妨げようと起電力を発生させる(自己誘導

この時、発生した起電力を自己誘導起電力といいます。

誘導起電力は、

$$ e = -N \frac{\delta \phi}{\delta t} [V]$$

で表される。

ここで、電流の変化\( \delta I \) → 電流変化に比例した磁束が変化\( \left( N・\delta \phi \right) \) → 自己誘導起電力eが発生

自己インダクタンスの公式

$$ e = -L \frac{\delta I}{\delta t} = -N \frac{\delta \phi}{\delta t} [V] $$ よって$$ L = \frac{N\phi}{I} $$

誘導起電力:\( e\) [V]

自己インダクタンス:\( L \) [H]

電流変化:\( \delta I \) [A]

時間変化:\( \delta t \) [s]

巻数:\( N\)

磁束変化:\( \delta \phi \) [Wb]

環状ソレノイドの自己インダクタンス

図のように、鉄心の断面積\(A \left[ m^2 \right] \)、磁路の平均長さ\( l \left[ m \right] \)、透磁率\( \mu = \mu_r \times \mu_0 \)としたとき、巻数\( N\)の環状ソレノイドの自己インダクタンス\( L \left[ H \right] \)を求める。

自己インダクタンスの公式より、

$$ L = \frac{N \phi}{I} $$

ここで、鉄心内の磁束密度を\( B \left[ T \right] \)とすると、

$$ \begin{align} \phi &= B \times A \\ &=磁束密度 \times 断面積 \\ &=\mu \times H \times A \end{align}$$

環状ソレノイド内の磁界の大きさは\( \displaystyle H =\frac{NI}{l} \)だから、

$$ \begin{align} \phi &= \mu \times \frac{NI}{l} \times A \\ &=\frac{ \mu_0 \mu_r N I A }{l} \end{align} $$

この式を自己インダクタンスの公式に代入すると

$$ \begin{align} L &= \frac{N \phi}{I} \\ &=\frac{N}{I} \times \frac{mu_0 \mu_r N I A}{l} \\ &=\frac{\mu_0 \mu_r A N^2 }{l} [H] \end{align} $$

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この記事を書いた人

中学校教師から電気エンジに転職し現在は66kV/155MWの工場で電気主任技術者として活動中です。
電験3種、電験2種を独学で合格した経験から、初心者がつまづきやすいポイントをどこよりもわかりやすく解説する電験ブログを目指して活動しています。
2023年より、電験三種のオンライン家庭教師も始めました!
目標は、電気監理技術者と独立し、年収1000万以上を達成することです。

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