三相誘導電動機の始動法

三相誘導電動機の始動時の特徴として、以下の2つがあります。

始動電流が大きい(定格電流の約7倍)

始動トルクが小さい

このため、三相誘導電動機の始動には工夫が必要となる場合があります。

特に、ブロワーなど始動時間が長い負荷の場合には

始動電流が大きすぎて、サーマルリレーが動作し起動できないということも…

1.全電圧始動(直入始動)

停止している誘導電動機に初めから定格電圧を加える方法

最も一般的な始動法

〈メリット〉

  • 制御回路が簡単
  • 安価

〈デメリット〉

  • 始動電流が大きい
  • 始動電流による母線電圧の電圧降下に注意が必要

2.スター・デルタ始動

始動時に誘導電動機の一次巻線をY(スター)結線とし

十分に加速したタイミングでΔ(デルタ)結線とする方法

〈メリット〉

  • 始動電流が\(\frac{1}{3}\)にできる
  • 比較的安価

〈デメリット〉

  • 始動トルクが\(\frac{1}{3}\)になる
  • スターからデルタへ切換の際、大電流が流れる

3.リアクトル始動

一次側にリアクトルを接続して始動電流を制限する

始動完了後、リアクトルを短絡する

〈メリット〉

  • タップにより始動電流、トルクを調整できる
  • 始動トルクの制御を主目的としている

〈デメリット〉

  • 装置がやや高価
  • 始動電流に比べ、始動トルクの減り方が著しい

4.コンドルファ始動(始動補償器)

一次側に三相単巻変圧器(始動補償器)を接続して、始動電圧を下げる

〈メリット〉

  • 始動電流とトルクが調整できる

〈デメリット〉

  • 装置が高価
まとめ


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この記事を書いた人

中学校教師から電気エンジに転職し現在は66kV/155MWの工場で電気主任技術者として活動中です。
電験3種、電験2種を独学で合格した経験から、初心者がつまづきやすいポイントをどこよりもわかりやすく解説する電験ブログを目指して活動しています。
2023年より、電験三種のオンライン家庭教師も始めました!
目標は、電気監理技術者と独立し、年収1000万以上を達成することです。

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