\(N=\frac{120f}{p}(1-s)\)
で表される。
したがって、周波数\(f\), すべり\(s\), 極数\(p\)のいずれかを変化させることで回転速度を制御できる
一次周波数制御法
おもに、サイリスタを用いたインバータを利用し、周波数\(f\)を変化させる。
制御方式は\(V/f\)制御、ベクトル制御、すべり周波数制御の3つがある。
①\(V/f\)制御
周波数を変化させると同時に、磁束密度を一定に保つために電圧も周波数に比例させて変化させる制御方式。
速度変化によるトルクの変動や効率低下を防ぐことができる。
電圧を周波数に応じて変化させる方法は、PWM(パルス幅変調)制御を用いる。
②ベクトル制御
電動機に流れる電流を “トルクによる電流” と “磁束による電流” に理論的に分離して、それぞれをを制御し、トルクを直接制御する方法。
\(V/f\)制御よりも高速応答に優れている。
③すべり周波数制御
回転周波数にすべり周波数を足し合わせた周波数で、誘導電動機を駆動することでトルクを調整する制御方式。
極数切換法
固定子巻線の接続を変更し、極数を切換ることで速度を制御する方法。
一次電圧制御法
すべり\(s\)の変化する範囲を広くするために、二次抵抗を大きくし、一次電圧を変化させてすべりを変化させる方法。
二次電圧制御法
スリップリングを通して接続した抵抗を増減し、トルクの比例推移を利用してすべり\(s\)を変化させて速度を制御する方法。
※巻線形誘導電動機にのみ
二次励磁制御法
巻線形誘導電動機の二次抵抗に相当する電力を外部から与え、すべり\(s\)を制御する方法。
クレーマ方式をセルビウス方式がある。
クレーマ方式:発生させた動力を機械的に主軸に返す。出力が一定な速度制御法。
セルビウス方式:電気エネルギーを電源に返す。トルクが一定な速度制御法。
まとめ
種類 | 変化させる値 | 制御名 | 方法 |
かご型 & 巻線形 |
\(f\) | 一次周波数制御法 | インバータ(VVVF電源装置)やサイクロコンバータを利用して周波数\(f\)を変える \(V/f\)が一定になる |
\(p\) | 極数切換法 | 固定子巻線の接続を変更することで極数\(p\)を切り替える | |
\(s\) | 一次電圧制御法 | 誘導電動機のトルクは電圧の2乗に比例するので、トルクを変化させて、すべり\(s\)を変化させる | |
巻線形 | \(s\) | 二次抵抗制御法 | 外部抵抗を変化させて、トルクの比例推移を利用し、すべり\(s\)を変化させる |
\(s\) | 二次励磁制御法 | クレーマ方式とセルビウス方式がある |
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