過去問解説【理論R3:問2】静電気力に関する問題

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問題

ポイント

2つの点電荷の間に働く静電気力の大きさ

\(Q_A\ [C]\)の点電荷と\(Q_B\ [C]\)の点電荷の間に働く静電気力(静電力またはクーロン力)の大きさ\(F\ [N]\)は、2点間の距離を\(r\ [m]\)、誘電率を\(ε\ [F/m]\)とすると以下のように表すことができます。

$$ F = \frac{Q_A Q_B}{4\pi ε r^2}$$

誘電率と比誘電率

誘電率とは、周りの空間の電気力線の透しにくさ(電界の強さをどのくらい緩和してくれるか)を表した値のことを指します。特に指定が無い場合には、真空中の誘電率と空気の誘電率は同じ大きさとして考えます。

$$ ε_0 = 8.85 \times 10^{-12} \ [F/m]$$

一方、比誘電率とは真空中の誘電率を基準(1として考える)としたとき、何倍になるかを表したものになります。したがって単位は無く比誘電率\(ε_1 = 3\)の場合、

$$ ε = 3 \times ε_0 = 3ε_0 $$

と表します。

解説

答え:(3)

二つの小球それぞれに蓄えられている電荷の大きさを\(q_1\ [C]\)、\(q_2\ [C]\)、間の距離を\(r\ [m]\)、真空中の誘電率を\(ε_0 \ [F/m]\)で表すことにします。

二つの小球を真空中に置く場合

$$ F_0 = \frac{q_1 q_2}{4\pi ε_0 r^2} $$

二つの小球を比誘電率2の空間中に置く場合

$$ F_1 = \frac{q_1 q_2}{4 \pi ( 2\times ε_0) r^2} $$

2つの式を見比べると大きさは\(\displaystyle \frac{1}{2}\)となります。

また、静電気力の向きは蓄えられている電荷の+、-の組み合わせで決まります。問題文には電荷の+、-を変えた記載はないので、静電力の向きに変化はありません。

よって答えは(3)になります。

感想

静電気力(クーロン力)に関する問としては、公式に当てはめればそのまま答えを導くことができる簡単な問でした。合格を狙うためには、公式通りの問題は取りこぼさないようにしたいものです。

本番の試験でも、簡単と感じた問題ほどマークミスがないかなど確認を浴しておきましょう!

用語が出題者によって異なるの注意!

今回の問題では、”静電力”と出題されましたが、静電気力やクーロン力など別の言い回しで聞かれることもあるので覚えておきましょう。

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