【過去問解説】 R1理論 問6 抵抗のみの直流回路の計算問題

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問題

図に示す直流回路は, \(100 \ \rm V \) の直流電圧源に直流電流計を介して \(10 \ \rm \Omega \) の抵抗が接続され, \(50 \ \Omega \) の抵抗と抵抗 \(R \ [\Omega]\) が接続されている。電流計は \(5 \  \rm A \) を示している。抵抗 \(R \ [\Omega] \) で消費される電力の値 \(\rm [W] \) として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。なお,電流計の内部抵抗は無視できるものとする。

 (1) \(2\)  (2) \(10\)  (3) \(20\)  (4) \(100\)  (5) \(200\) 

解説

答え:(5)

抵抗 \(R\) の値を求める

回路全体の抵抗の大きさを \(R_{all}\) とすると,以下の2つの式がたてられます。

\( R_{all} = \displaystyle \frac{100 \rm V}{5 \rm A} = 20 \Omega \tag{1} \)

\( R_{all} = 10 + \displaystyle \frac{R \times 50}{R + 50} \tag{2} \)

式(1),(2)より,

\(\begin{align} 20 \Omega &= 10 + \displaystyle \frac{R \times 50}{R+50} \\ \\ 10\color{red}{ \times \left( R + 50 \right) } &= 50R \\ \\ 10R+500 &= 50R \\ \\ 40R &= 500 \\ \\ R &=\displaystyle \frac{500}{40} \\ &= 12.5 \Omega \end{align} \)

抵抗 \(R\) に流れる電流の大きさを求める

並列接続された2つの抵抗に流れる電流の比は,抵抗の逆数の比と等しくなるので,上図のように各抵抗を流れる電流をそれぞれ,\(I_2\) ,\(I_3\) と置くと,

\(\begin{align} I_2 : I_3 &= \displaystyle \frac{1}{12.5} : \displaystyle \frac{1}{50} \\ \\ I_2 : I_3 &= \displaystyle \frac{1}{12.5} \color{red}{ \times 50 } : \displaystyle \frac{1}{50} \color{red}{ \times 50 } \\ \\ I_2 : I_3 &= 4 : 1 \\ \\ I_2 &= 4I_3 \end{align} \)

となる。ここで,回路全体の電流の関係より,

\(\begin{align} I &= I_2 + I_3 \\ \color{red}{ 5 } &= \color{red}{ 4\times I_3 } +I_3 \\ 5 &= 5I_3 \\ I_3 &= 1 \rm A \end{align} \)

\(\begin{align} I_2 &= 5 – I_3 \\ &= 5 – 1 \\ &=4 \end{align} \)

と計算できます。

抵抗 \(R\) で消費される電力を計算する

抵抗で消費される電力は,(抵抗値)×(電流の二乗)で計算できるので,

\(\begin{align} P &= R \times I_2 ^2 \\ \\ &= 12.5 \times 4^2 \\ \\ &= 200 \rm W \end{align}\)

と計算できます。したがって,答えは(5)となります。

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この記事を書いた人

中学校教師から電気エンジに転職し現在は66kV/155MWの工場で電気主任技術者として活動中です。
電験3種、電験2種を独学で合格した経験から、初心者がつまづきやすいポイントをどこよりもわかりやすく解説する電験ブログを目指して活動しています。
2023年より、電験三種のオンライン家庭教師も始めました!
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