【過去問解説】H22理論 問3 誘導起電力に関する計算問題

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問題

 紙面に平行な水平面内において, \(0.6\ \rm[m]\) の間隔で張られた \(2\) 本の直線状の平行導線に \(10\ \rm[\Omega]\) の抵抗が接続されている。この平行導線に垂直に,図に示すように,直線状の導体棒 \(\rm PQ\) を渡し,紙面の裏側から表側に向かって磁束密度 \(B = 6 \times 10^{-2}\ \rm[T]\) の一様な磁界をかける。 ここで,導体棒 \(\rm PQ\) を磁界と導体棒に共に垂直な矢印の方向に一定の速さ \(v = 4\ \rm[m/s]\) で平行導線上を移動させているときに, \(10\ \rm[\Omega]\) の抵抗に流れる電流 \(I\ \rm[A]\) の値として,正しいのは次のうちどれか。
 ただし,電流の向きは図に示す矢印の向きを正とする。 また,導線及び導体棒 \(\rm PQ\) の抵抗,並びに導線と導体棒との接触抵抗は無視できるものとする。

(1)  \(−0.0278\)  (2)  \(−0.0134\)   (3)  \(−0.0072\)   (4)  \(0.0144\)   (5)  \(0.0288\)   

解説

答え:(4)

誘導起電力の大きさと向きを求める

問の図より,磁界中を移動する導体棒 \(\rm PQ\) の長さは \(0.6\ \rm m\) ,導体棒の移動速度は \(v = 4\ \rm m/s\) ,磁界の大きさ \( B = 6 \times 10^{-2}\ \rm T\) であるから誘導起電力 \(e\ \rm V\) の大きさは,

\(\begin{align} e &= Blv \\ &= 6 \times 10^{-2} \times 0.6 \times 4 \\ &= 0.144 \ \rm V \end{align} \)

と計算することができます。誘導起電力の向きは『フレミングの右手の法則』より,下図のようになります。

抵抗を流れる電流 \( I \) の大きさを求める

オームの法則より,\(10 \ \Omega\) の抵抗を流れる電流 \(I\) は,

\(\begin{align} I &= \displaystyle \frac{e}{R} \\ \\ &= \displaystyle \frac{0.144}{10} = 0.0144 \end{align} \)

と計算できます。したがって、答えは(4)となります。

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この記事を書いた人

中学校教師から電気エンジに転職し現在は66kV/155MWの工場で電気主任技術者として活動中です。
電験3種、電験2種を独学で合格した経験から、初心者がつまづきやすいポイントをどこよりもわかりやすく解説する電験ブログを目指して活動しています。
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