【過去問解説】H28年理論 問3 電流の作る磁界の計算問題

問題

図のように,長い線状導体の一部が点 \(P\) を中心とする半径 \(r\ \rm[m]\) の半円形になっている。この導体に電流 \(I\ \rm[A]\) を流すとき,点 \(P\) に生じる磁界の大きさ \(H\ \rm[A/m]\) はビオ・サバールの法則より求めることができる。 \(H\) を表す式として正しいものを,次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) \(\displaystyle \frac{I}{2 \pi r}\) (2) \(\displaystyle \frac{I}{4r}\) (3) \(\displaystyle \frac{I}{\pi r}\) (4) \(\displaystyle \frac{I}{2r}\) (5) \(\displaystyle \frac{I}{r}\)

解説

答え:(2)

ビオバザールの法則とは

上図のように,微小な長さ \(\Delta l\ \rm m\) に電流 \(I \ \rm A\) が流れた場合,距離 \(r\ \rm m\) 離れた場所に電流が作る磁界 \(\Delta H\ \rm [A/m]\) の大きさは,

\( \Delta H = \displaystyle \frac{I \ \Delta l}{4 \pi r^2} \sin \theta \)

で表されます。

円形コイルを流れる電流が作る磁界

上図にビオ・バザールの法則をあてはめると,

\(\begin{align} H &= \displaystyle \frac{N2\pi r}{4 \pi r^2} \sin \displaystyle \frac{\pi}{2}\\ \\ &= \displaystyle \frac{I}{2r} \end{align} \)

問の図では,導体は円の半分なので,磁界の大きさは,

\(\begin{align} H’ &= H \times \displaystyle \frac{1}{2} \\ \\ &= \displaystyle \frac{I}{2r} \times \displaystyle \frac{1}{2} \\ \\ &= \displaystyle \frac{I}{4r} \end{align} \)

よって,答えは(2)となります。

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この記事を書いた人

中学校教師から電気エンジに転職し現在は66kV/155MWの工場で電気主任技術者として活動中です。
電験3種、電験2種を独学で合格した経験から、初心者がつまづきやすいポイントをどこよりもわかりやすく解説する電験ブログを目指して活動しています。
2023年より、電験三種のオンライン家庭教師も始めました!
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