【過去問解説】 H30理論 問6 抵抗のみの直流回路の計算問題

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問題

\(\rm R_a,R_b\) 及び\(\rm R_c\) の三つの抵抗器がある。これら三つの抵抗器から二つの抵抗器( \(\rm R_1\) 及び \(\rm R_2\) )を選び,図のように,直流電流計及び電圧 \(E=1.4\ \rm V\)の直流電源を接続し,次のような実験を行った。

 実験Ⅰ:\(\rm R_1\) を \(\rm R_a\) ,\(\rm R_2\) を \(\rm R_b\) としたとき、電流 \(I\) の値は \(56\ \rm mA\) であった。
 実験Ⅱ:\(\rm R_1\) を \(\rm R_b\),\(\rm R_2\) を \(\rm R_c\) としたとき、電流 \(I\) の値は \(35\ \rm mA\) であった。
 実験Ⅲ:\(\rm R_1\) を \(\rm R_a\) ,\(\rm R_2\) を \(\rm R_c\) としたとき、電流 \(I\) の値は \(40\ \rm mA\) であった。

これらのことから,\(R_b\) の抵抗値[\(\Omega\)]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,直流電源及び直流電流計の内部抵抗は無視できるものとする。

(1) \(10\)  (2) \(15\)  (3) \(20\)  (4) \(25\)  (5) \(30\)

解説

答え:(2)

実験Ⅰ~Ⅲの結果から式を立てる

オークの法則より,実験Ⅰ~Ⅲの各条件における式を立てると以下のようになります。

実験Ⅰの結果より

\(\begin{align} E &= I_1 \times \left( \rm R_a + R_b \right) \\ \\ \color{red}{1.4} &= \color{red}{0.056} \times \left( \rm R_a + R_b \right) \\ \\ \left( \rm R_a + R_b \right) &= \displaystyle \frac{1.4}{0.056} \\ \\ \rm R_a + R_b &= 25\ \cdots \cdots \left(1\right) \end{align} \)

実験Ⅱの結果より

\(\begin{align} E &= I_2 \times \left( \rm R_b + R_c \right) \\ \\ \color{red}{1.4} &= \color{red}{0.035} \times \left( \rm R_b + R_c \right) \\ \\ \left( \rm R_b + R_c \right) &= \displaystyle \frac{1.4}{0.035} \\ \\ \rm R_b + R_c &= 40\ \cdots \cdots \left(2\right) \end{align} \)

実験Ⅲの結果より

\(\begin{align} E &= I_3 \times \left( \rm R_c + R_a \right) \\ \\ \color{red}{1.4} &= \color{red}{0.04} \times \left( \rm R_c + R_a \right) \\ \\ \left( \rm R_c + R_a \right) &= \displaystyle \frac{1.4}{0.04} \\ \\ \rm R_c + R_a &= 35\ \cdots \cdots \left(3\right) \end{align} \)

よって以下の3つの連立方程式を得ることができました。

実験Ⅰ~Ⅲより得られた連立方程式

\(\begin{cases} \rm R_a + R_b = 25 \cdots \cdots \left(1\right) \\ \\ \rm R_b + R_c = 40 \cdots \cdots \left(2\right) \\ \\ \rm R_a + R_c = 35 \cdots \cdots \left(3\right) \end{cases}\)

連立方程式を解く

式 \( \left( 3 \right) – \left( 1 \right) \) より,

\(\begin{align}\rm R_a + R_c &= 35 \\ – \ ) \ \rm R_a + R_b &= 25 \\ \hline \rm R_c \color{red}{-} R_b &= 10 \cdots \cdots \left(4\right) \end{align} \)

式 \( \left( 2 \right) – \left( 4 \right) \) より,

\(\begin{align}\rm R_b + R_c &= 40 \\ – \ ) \ \rm -R_b + R_c &= 10 \\ \hline \rm \color{red}{2R_b } &= 30 \\ \rm R_b &= 15 \end{align} \)

したがって,答えは(2)となります。

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この記事を書いた人

中学校教師から電気エンジに転職し現在は66kV/155MWの工場で電気主任技術者として活動中です。
電験3種、電験2種を独学で合格した経験から、初心者がつまづきやすいポイントをどこよりもわかりやすく解説する電験ブログを目指して活動しています。
2023年より、電験三種のオンライン家庭教師も始めました!
目標は、電気監理技術者と独立し、年収1000万以上を達成することです。

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