問題
\(\rm R_a,R_b\) 及び\(\rm R_c\) の三つの抵抗器がある。これら三つの抵抗器から二つの抵抗器( \(\rm R_1\) 及び \(\rm R_2\) )を選び,図のように,直流電流計及び電圧 \(E=1.4\ \rm V\)の直流電源を接続し,次のような実験を行った。
実験Ⅰ:\(\rm R_1\) を \(\rm R_a\) ,\(\rm R_2\) を \(\rm R_b\) としたとき、電流 \(I\) の値は \(56\ \rm mA\) であった。
実験Ⅱ:\(\rm R_1\) を \(\rm R_b\),\(\rm R_2\) を \(\rm R_c\) としたとき、電流 \(I\) の値は \(35\ \rm mA\) であった。
実験Ⅲ:\(\rm R_1\) を \(\rm R_a\) ,\(\rm R_2\) を \(\rm R_c\) としたとき、電流 \(I\) の値は \(40\ \rm mA\) であった。
これらのことから,\(R_b\) の抵抗値[\(\Omega\)]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,直流電源及び直流電流計の内部抵抗は無視できるものとする。
(1) \(10\) (2) \(15\) (3) \(20\) (4) \(25\) (5) \(30\)
解説
答え:(2)
実験Ⅰ~Ⅲの結果から式を立てる
オークの法則より,実験Ⅰ~Ⅲの各条件における式を立てると以下のようになります。
実験Ⅰの結果より
\(\begin{align} E &= I_1 \times \left( \rm R_a + R_b \right) \\ \\ \color{red}{1.4} &= \color{red}{0.056} \times \left( \rm R_a + R_b \right) \\ \\ \left( \rm R_a + R_b \right) &= \displaystyle \frac{1.4}{0.056} \\ \\ \rm R_a + R_b &= 25\ \cdots \cdots \left(1\right) \end{align} \)
実験Ⅱの結果より
\(\begin{align} E &= I_2 \times \left( \rm R_b + R_c \right) \\ \\ \color{red}{1.4} &= \color{red}{0.035} \times \left( \rm R_b + R_c \right) \\ \\ \left( \rm R_b + R_c \right) &= \displaystyle \frac{1.4}{0.035} \\ \\ \rm R_b + R_c &= 40\ \cdots \cdots \left(2\right) \end{align} \)
実験Ⅲの結果より
\(\begin{align} E &= I_3 \times \left( \rm R_c + R_a \right) \\ \\ \color{red}{1.4} &= \color{red}{0.04} \times \left( \rm R_c + R_a \right) \\ \\ \left( \rm R_c + R_a \right) &= \displaystyle \frac{1.4}{0.04} \\ \\ \rm R_c + R_a &= 35\ \cdots \cdots \left(3\right) \end{align} \)
よって以下の3つの連立方程式を得ることができました。
\(\begin{cases} \rm R_a + R_b = 25 \cdots \cdots \left(1\right) \\ \\ \rm R_b + R_c = 40 \cdots \cdots \left(2\right) \\ \\ \rm R_a + R_c = 35 \cdots \cdots \left(3\right) \end{cases}\)
連立方程式を解く
式 \( \left( 3 \right) – \left( 1 \right) \) より,
\(\begin{align}\rm R_a + R_c &= 35 \\ – \ ) \ \rm R_a + R_b &= 25 \\ \hline \rm R_c \color{red}{-} R_b &= 10 \cdots \cdots \left(4\right) \end{align} \)
式 \( \left( 2 \right) – \left( 4 \right) \) より,
\(\begin{align}\rm R_b + R_c &= 40 \\ – \ ) \ \rm -R_b + R_c &= 10 \\ \hline \rm \color{red}{2R_b } &= 30 \\ \rm R_b &= 15 \end{align} \)
したがって,答えは(2)となります。